前編では、17歳のときに骨髄移植を受けたところまでを書きました。
今回はその後の話です。
骨髄移植は無事に生着しましたが、その約1週間後から地獄の日々が始まりました。
急性GVHDの発症
移植後、急性GVHDを発症しました。
急性GVHDとは移植後早期に起こり、発熱に続いて皮疹、下痢、黄疸などを発症する病気です。通常は皮膚症状が先行し、その後に消化器症状や肝障害が起こります。欧米と比較すると、日本人ではGVHDの程度は比較的軽いことが知られています。
https://www.jstct.or.jp/modules/patient/index.php?content_id=21
私は皮疹を発症することはなかったのですが、重度の下痢に悩まされました。
当時、朝食を取ったあとトイレへ行ったところ急な下痢に襲われ、立つことができなくなりナースコールを押しました。看護師さんに支えられながら部屋へ戻ったことを今でも覚えています。
急性GVHDを発症してからはベッドから起き上がることもしんどくなり、寝てばかりの生活が続きました。その結果ぎっくり腰になってしまい、さらに動けない日々が続きました。
これが本当につらいんですよね。
病院にいながらの高校生活
ここで学校の話です。
実は高校2年の5月に、もともと通っていた全日制高校から通信制高校へ転入しました。
私の通っていた通信制高校は、年に2回現地でスクーリングを受けなければいけませんでした。しかし急性GVHDは一向に良くならず、「スクーリング授業を受けられないのではないか」という状況になりました。
当時の私は意地でも行くと言って頑固になり、母と喧嘩をしていました。そんなとき先生が間に入って取り持ってくださり、なんとか事なきを得ました。
スクーリングは最終的に先生方の尽力により5日間通い切ることができ、無事に単位を取得することができました。
今思うと当時の自分は本当に子供で、先生方には感謝しかありません。
その後も体調はなかなか回復せず、日々トイレとお友達のような生活を送っていました。いつ退院できるかも分からず、途方に暮れる日々でした。
敗血症でICUへ
12月の中旬、ノロウイルスが原因で敗血症になりました。
敗血症とは、生命を脅かす感染に対する生体反応のことです。組織障害や臓器障害を引き起こすため、集中治療室(ICU)での全身管理や治療が必要になります。ショックや著しい臓器障害をきたす場合には、命に関わることもあります。
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夕方ごろから熱っぽさが続き、ぐったりしていました。
明け方になると寒気が止まらず、全身が震えるようになったのを覚えています。
そこから意識がもうろうとし始め、気が付いたときにはICUに運ばれていました。
それから3日間、ICUで過ごすことになりました。
今でも後悔していること
当時、同じ病棟で闘病生活を送っていた何歳か年上のお兄さんがいました。
特別仲が良かったわけでもなく、普段から話すような仲でもありませんでした。ただ、お母さん同士が仲が良いという関係でした。
ICUから一般病棟に戻ったとき、そのお兄さんに
「大丈夫だった?」
と声をかけられました。
私は
「大丈夫でした」
とだけ答えました。
急に話しかけられて少し恥ずかしくなり、それ以上会話を続けませんでした。
あのとき「心配してくれてありがとう」とちゃんと伝えるべきだったと。
その後、そのお兄さんは1月に亡くなりました。
人生で一番の後悔は、そのときにきちんと感謝を伝えなかったことです。
説教っぽくて嫌ですが、感謝はきちんと伝えるべきだと思います。
「今度伝える」は、やめた方がいいです。
9ヶ月の入院生活
その後も体調はなかなか良くならない日々が続きましたが、高校2年の1月、ついに退院することができました。
最初は3ヶ月の予定だった入院は、結果的に9ヶ月の長期入院になりました。
入院中はつらいことも多くありましたが、周囲の人に恵まれ、今振り返ると楽しい思い出もたくさんあります。
その後、帯状疱疹がきっかけで急性GVHDに続いて慢性GVHDも発症し、現在は重度のドライアイに悩まされる日々を送っています。
その後の人生
その後、メンタルの不調が出てしまったり、家庭の問題が起きたりといろいろなことがありました。
その結果、3年遅れで通信制大学に進学することになりましたが、最終的には無事に大手企業へ就職することができました。
周囲は国公立大学出身の人たちばかりで、少し引け目を感じることもありますが(笑)。
振り返ると、人生には本当にいろいろなことがありました。
病気のことや家庭の問題だけに焦点を当てれば、不幸な人生だったと言えるかもしれません。
でも、自分は幸いにも周囲の人に恵まれていましたし、良い時代に生きることができたおかげで医学の進歩の恩恵を受けることもできました。さらに就職についても、売り手市場の中でチャンスをつかむことができました。
そう考えると、自分はかなりの幸せ者だと思っています。
この記事がどれくらいの人に読まれるのか、そしてどんな影響があるのかは分かりません。
もしかしたら、ほとんど影響なんてないのかもしれません。
それでも、将来同じような病気になり苦しんでいる人にとって、少しでも何かの助けになれば嬉しいです。
最後まで読んでくださりありがとうございました。


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