基本情報技術者試験は、IT業界を目指す人にとって登竜門とも言える国家資格です。2023年4月からCBT方式による通年実施となり、自分のペースで受験できるようになりました。しかし、合格率は40〜50%程度と、決して簡単な試験ではありません。この記事では、基本情報技術者試験に一発合格するための効果的な勉強法を、科目A・科目B別に詳しく解説します。
基本情報技術者試験の概要
試験構成
基本情報技術者試験は、科目A試験と科目B試験の2つで構成されています。
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/fe.html
科目A試験は、試験時間90分で60問が出題されます。出題形式は多肢選択式で、テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系の幅広い分野から出題されます。1,000点満点中600点以上で合格です。
科目B試験は、試験時間100分で20問が出題されます。出題形式は多肢選択式ですが、科目Aよりも応用的な内容が問われます。アルゴリズムとプログラミング、情報セキュリティの2分野から出題され、こちらも1,000点満点中600点以上で合格となります。
重要なポイントは、科目AとBの両方で600点以上を取らなければ合格できないということです。どちらか一方だけ高得点でも、もう一方が基準に達していなければ不合格となります。
勉強時間の目安
IT知識がほとんどない初心者の場合、合格に必要な勉強時間は200〜300時間が目安です。1日2時間勉強すれば、3〜6ヶ月程度で合格レベルに到達できます。
一方、IT業界で働いていたり、IT系の学校で学んでいたりする経験者の場合は、50〜100時間程度で十分合格可能です。ただし、基本情報技術者試験は出題範囲が広いため、専門分野に偏っている場合は、カバーできていない領域の学習が必要です。

大学で情報系を専攻している筆者は50時間程度でギリギリ合格できました。
十分に時間を取ればだれでも合格は可能です!!

科目A試験の攻略法
過去問中心の学習が最強
科目A試験の最大の特徴は、過去問と同じ問題が多く出題されることです。そのため、科目A対策の基本は「過去問の反復学習」に尽きます。
まず、基本的なIT用語を暗記します。テキストを使って、テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系の各分野の用語を一通り学習しましょう。ただし、最初から完璧に理解しようとする必要はありません。1回目は読み流す程度で十分です。
基本用語の暗記が終わったら、ひたすら過去問道場で過去問を回します。過去問道場は無料で利用できるWebサイトで、基本情報技術者試験の過去問が豊富に掲載されています。分野別に問題を解いたり、ランダムに出題したりと、さまざまな学習方法が可能です。
過去問は最低でも4〜5年分、できれば8〜12回分を解きましょう。同じ問題を3回以上繰り返し解くことで、知識が定着していきます。
間違えた問題はテキストで復習
過去問を解いて間違えた問題は、必ずテキストで該当箇所を復習します。なぜ間違えたのか、正解はなぜその選択肢なのかを理解することが重要です。
このインプット(テキスト学習)とアウトプット(過去問演習)を繰り返すことで、知識が確実に定着していきます。
スキマ時間の活用
科目Aはスマホアプリでも学習できます。通勤時間や休憩時間などのスキマ時間を活用して、1問でも多く過去問を解きましょう。反復学習が科目A攻略の鍵です。
科目B試験の攻略法
科目B試験は、基本情報技術者試験の最大の山場です。科目Aが暗記中心であるのに対し、科目Bは理解と応用力が問われます。
アルゴリズムと擬似言語に慣れる
科目Bでは、アルゴリズムとプログラミングの問題が出題されます。過去問では極端に難しいアルゴリズムが出題されることはありませんが、問題が擬似言語で出題されるため、まずこの擬似言語に慣れる必要があります。
擬似言語とは、特定のプログラミング言語に依存しない、プログラムの処理を表現するための言語です。C言語やPython、Javaといった実際のプログラミング言語とは異なりますが、基本的な構造は似ています。
擬似言語に慣れるには、サンプル問題や過去問を繰り返し解くことが効果的です。IPAの公式サイトでサンプル問題が公開されているので、まずはそれを使って擬似言語の読み方に慣れましょう。
トレース力を身につける
科目Bで求められる最も重要な力が「トレース力」です。トレースとは、プログラムの処理の流れを書き出しながら追うことを指します。
擬似言語で書かれたプログラムを読み、変数の値がどのように変化するか、条件分岐やループ処理がどう動くかを、紙に書き出しながら追跡します。この作業を丁寧に行うことで、プログラムの動作を正確に理解できます。
トレースに慣れることで、プログラミング問題で確実に得点できるようになります。最初は時間がかかりますが、繰り返し練習することでスピードも上がっていきます。
情報セキュリティで確実に点を取る
科目Bのもう一つの出題分野が情報セキュリティです。実は、情報セキュリティの問題は科目A試験と共通している部分が多く、比較的点を取りやすい分野です。
暗号化技術、認証技術、ネットワークセキュリティなど、科目Aで学習した知識をしっかり復習しておけば、科目Bの情報セキュリティ問題でも確実に正解できます。
科目Bは20問しか出題されないため、1問の配点が大きくなります。情報セキュリティ問題で確実に得点することで、合格点に達することができます。
科目Bは量より質
科目Bの対策では、量よりも質を重視しましょう。科目Aのように過去問を大量に解くのではなく、1問1問を丁寧に理解することが重要です。
サンプル問題や過去問を解いたら、必ず解説を読み、なぜその答えになるのかを理解します。トレースを実際に紙に書き出して、プログラムの動作を確認しましょう。
理解できない問題があれば、参考書に戻って該当する箇所を読み直します。アルゴリズムの基礎(再帰、スタック、キュー、木構造、連結リスト、整列、文字列処理など)をしっかり理解することが、科目B攻略の近道です。
分からないアルゴリズムなどは参考書だけでなくYouTubeの解説動画なども活用するとより理解が早まり深くなります。
おすすめ動画
おすすめ参考書
基本情報技術者試験の学習には、自分に合った参考書選びが重要です。ここでは、特におすすめの3冊を紹介します。
第1位:令和08年 イメージ&クレバー方式でよくわかる かやのき先生の基本情報技術者教室

この参考書は、科目A・科目B両方の対策ができるオールインワンタイプです。ページ数が約496ページと比較的薄く、持ち運びやすいのが特徴です。160万部という圧倒的な販売実績があり、多くの合格者を輩出しています。
イメージとクレバー(賢い)方式で、難しい概念を分かりやすく説明しています。初学者でも挫折しにくい構成になっており、短期間で効率的に学習したい人に最適です。
第2位:キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者

イラストが豊富で、視覚的に理解しやすいのが最大の特徴です。IT初心者やIT知識がほぼゼロの人でも、取っつきやすい内容になっています。
約600ページとやや厚めですが、イラストが多いため読み進めやすいです。じっくり時間をかけて、基礎から丁寧に学びたい人におすすめです。
第3位:情報処理教科書 出るとこだけ!基本情報技術者[科目B]第4版

科目B対策に特化した参考書です。科目Bの最大の難関であるアルゴリズムとプログラミングを、重点的に学習できます。
擬似言語の読み方、トレースの方法、頻出アルゴリズムの解説など、科目B攻略に必要な知識が凝縮されています。科目Aは過去問道場で対策し、科目Bはこの参考書でじっくり学習するという使い方も効果的です。
合格までの学習スケジュール
初心者が3〜4ヶ月で合格を目指す場合の学習スケジュール例を紹介します。
1ヶ月目(60〜70時間)
参考書を1周読みます。完璧に理解しようとせず、全体像を掴むことを目標にします。分からない用語はその都度調べ、IT用語に慣れていきます。
2ヶ月目(60〜70時間)
科目Aの過去問演習を開始します。過去問道場で4〜5年分の過去問を解き、間違えた問題は参考書で復習します。同時に、科目Bのサンプル問題にも取り組み、擬似言語に慣れ始めます。
3ヶ月目(60〜70時間)
科目Aの過去問を繰り返し解き、正答率を上げます。科目Bはアルゴリズム問題を中心に、トレースの練習を重ねます。科目B専用の参考書も活用します。
4ヶ月目(30〜40時間)
総仕上げの期間です。科目Aは苦手分野を中心に復習し、科目Bは過去問やサンプル問題を時間を測って解きます。本番を想定した練習を行い、時間配分にも慣れておきます。
よくある質問(FAQ)
- Q完全初心者でも合格できますか?
- A
はい、可能です。IT知識がゼロでも、200〜300時間の学習で合格レベルに到達できます。ただし、計画的な学習とモチベーション維持が重要です
- Q独学と通信講座、どちらがいいですか?
- A
独学でも十分合格可能ですが、IT知識がまったくない場合や、自己管理が苦手な場合は通信講座も検討しましょう。
- Q科目Aと科目B、どちらを優先すべきですか?
- A
科目Bを優先すべきです。科目Aは暗記中心で直前でも点数を伸ばせますが、科目Bは理解に時間がかかります。科目Bに多めの時間を割き、科目Aは過去問の反復で対応しましょう。
- Qプログラミング経験がなくても大丈夫ですか?
- A
大丈夫です。ただし、科目Bのアルゴリズム問題では、プログラミング経験があると有利です。経験がない場合は、トレースの練習を徹底的に行いましょう。
まとめ
基本情報技術者試験に一発合格するためには、科目A・科目B それぞれに適した学習方法が重要です。
科目Aは、基本用語を暗記した後、過去問道場でひたすら過去問を回すことが最も効果的です。過去問と同じ問題が多く出題されるため、反復学習が合格への近道です。
科目Bは、基本情報技術者試験の最大の山場です。擬似言語に慣れ、トレース力を身につけることが重要です。また、情報セキュリティ問題で確実に得点することで、合格点に到達できます。
おすすめの参考書は、かやのき先生の基本情報技術者教室、キタミ式イラストIT塾、そして科目B対策には出るとこだけ!基本情報技術者[科目B]です。自分の学習スタイルに合わせて選びましょう。
初心者でも、計画的に学習すれば3〜4ヶ月で合格可能です。過去問の反復、トレースの練習、そして継続的な学習が合格への鍵となります。基本情報技術者試験の合格を目指して、ぜひ頑張ってください!


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